【ベトナム現地視察派遣7日目〜9日目②】

私は Kha さんの兄の Jaka さんと話したことについて書きます。ホーチミンの大学の学生さんに日→越・越→日の通訳をしていただきながら、2時間近くもの間お話しさせていただいたので、全てを書くことはできません。私が、最も大事だと感じたことと、最も印象に残ったこととに絞って書きます。

まず今回聴けたのがとても重要だったことは、私たちが雑貨を売ることそのものは、 Jaka さんの家のある村、 chakleng の、布を織る職人さんたちのために直接は役に立っていないということです。私たちは Kha さんの会社から雑貨を買っていますが、その会社はホーチミンにあって、そこで布を機械で織ってその布で雑貨は作られています。間にチャムの村は入っていません。Inra家のお金でチャムの村の支援をかなりしているのですが、 Jaka さんが言うことには、村には職業が少なく、収入も少ないのが大きな問題で、僕らが雑貨を買ったとしても、また、仮に余分に儲けを得てそれを送金するとしても、仕事・収入が少ないのを改善する手伝いにはならないようなのです。Chaklengの職人さんたちは今はまだ布を作る人がほとんどで、雑貨などの直接商品として市場に出せる物ではないので、雑貨などにはこれから挑戦していくそうです。 Jaka さんが私たちに最もしてほしいことは、村に行ったことのある人たち・行きたい人・興味のある人でつながって、この村の職人さんのことや布のことを知ってほしい、また、雑貨を作るようになったら買ってほしい、ということだそうです。今まで雑貨を売ってきた認識とはかなり違っていたので、もう少し考え直さないといけないと感じています。

Jaka さん (右上) とお話。 Jaka さんの家でお茶をいただきながら。

次は最も印象的だったことについてで、遺跡についておっしゃっていたことを書きます。遺跡に観光客が来ることそのものはもちろん悪いことじゃないし、来てくれるおかげで交流できることや、その交流のおかげで発展できること、またお金も落としてくれて発展できること、こういうことは良いことだと。しかし良くないこともあるそうです。チャム族の遺跡には、14日に私たちが行った世界遺産のミーソン遺跡などがありますが、特にそのような有名になった遺跡には外国人も含め、多くの観光客が来ます。するとやはりマナーの良くない人たちもいて、遺跡に落書きしたりごみをポイ捨てしたり入ってはいけない場所に入ったりするので、遺跡がよごされてしまうのです。これは当然悪いことですが、さらに、観光客が多すぎて邪魔で、お祭りやお祈りが満足に出来ないそうです。また、遺跡のツアーもあまり良くないため、ちゃんと遺跡の意味を伝えられないということも嘆いていました。必ずしも観光客がたくさん来ればそれで良いという問題ではないのだということと、遺跡はチャムの人たちにとっては今でも神聖な場所なのだということが私にとっては、新しい発見でした。

Jaka さんとお話しして会社からは一歩引いた立場から見た、雑貨や布の現状を聴けたことは大きいように思います。これから何ができるかもっと考えていきたいと思います。

近藤 丈仁